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共生虫



村上龍


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MESSAGE FROM RYU MURAKAMI





「引きこもり」という言葉を知ったのは、90年代の初頭で、読者からの手紙でした。「わたしの兄は、10年近く家から出ていません」と書かれていて、びっくりしました。


 ただ、この作品は「社会的引きこもり」の「実態」を描いたものではなく、社会のダークサイドを、引きこもりの青年の行動を通してあぶり出すという内容・構造になっています。「社会的引きこもり」そのものについては、その後、『最後の家族』という作品で、テーマとしました。


 表紙アニメーションは、執筆当時の、インターネット掲示板の、不気味な匿名性、ネガティブな側面を表現してみました。


村上龍


(アニメーションは、Apple Booksのみ収録しています)



ABOUT





​「共生虫は、自ら絶滅をプログラミングした人類の、新しい希望と言える」


死にゆく老人の鼻孔から「細長い虫」が這い出てきて、自分の体内に入りこむのを感じた青年ウエハラは、あるネットの掲示板を通じて、その「虫」が「殺人と殺戮を許され委ねられた人間」だけに生息する「共生虫」だと刷り込まれる。


「共生虫」に捧げる生け贄を求めて引きこもりから自らを解き放ったウエハラが、現実と接触し、覚醒していく先に見たものとは…...


2000年、第36回谷崎潤一郎賞受賞。





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